突然、スキーが上手になった。それはまるで昨日までの自分とは別人で、寝ている間に魔法をかけられたように気づいたらそうなっていたのだ。
こぶを滑れるようになった!
それは今まで何年も苦心してほとんど進歩が見られなかったものだったのだ。あまりにも突然過ぎて、自分の力ではないような気がして、拍子抜けだ。
変えた、のはストックの握り方くらい。鉛筆持ちをしていたものを、ぐーで握るように変えた。そんな単純なことも、そうしようと思いつつ何かに阻まれてできていなかったものだ。握り方が、姿勢を変え、重心が前に移り、ひざが自然に曲がり、と連鎖していったのだと思う。
そういう小さなことを、コツ、と呼ぶ。人生はコツを掴んだり忘れたり、の連続だと思う。コツ、が見えやすい人を要領が良い、という。
コツの辞典があったらいいのに。
そして、1週間くらい経った後、「コツの辞典」でGoogle検索してみるとおもしろいだろう。。