ニコ技シンセン深圳観察会 というグループを発見、参加して、チームラボ高須さんに導かれ 2014-12-08 - 2014-12-13 と深圳に行ってきた。高須さんには本当に感謝。
(追記 2014-12-23)
他のみなさまのブログ記事も参考にどうぞ
第2回 ニコ技深圳観察会 2014年12月 感想まとめ(更新中) #sz1208
長い記事になりそうなので最初にまとめ
生産者として
プロトタイプまでは深圳でやるのが最速そうだ。
dangerous prototypes のように深圳に住み、BBQをしてファーチャンペイの人達と信頼関係を育み、無限の玉石の中からよい部品屋さんを見つけられる関係性を築く。
基板は発注すれば24時間で届く。
haxlr8rの人達が一週間で一ヶ月分はかどるというのは控えめの表現だろう。
魅力的だ。
製品の生産はまだ日本でやりたい。
信頼関係が損なわれたら粗悪品が混じるかもしれないところからは製品向けの部品は買えない。
調達以降の工程も同様。
自分は信頼できる工場が国内に既にあるし、生産は得意な人に任せ、ストレスなく進めることが自分にとっては優先度が高いので、多少高くても日本でやろう。
もちろん日本の工場の人も偶然の積み重ねで出会えたわけで人次第。
消費者として
結果としてファーチャンペイで自分が買ったのは、カメラ&microSDカードスロット付きクアッドコプター@5000円のみだった。
小さなiPhoneやgoproコピーなどのように、機能に工夫を凝らしたコピーものはあるので、今後独自の発展を遂げて数年中には最新技術を使ったオリジナルの製品が果てしなく並ぶところになるだろう。
電動1輪車はそのようなものの1つか。
現時点で技術的に先端に近いものが最安で買えるのは確か。
コピーであることやルールを無視する生産者にお金を払うのは、コピーされる側、ルールを守る側の気持ちを考え、応援する人にお金を払いたいという意味では抵抗がある。
ハードウェアだけにお金を払う時代でもないが、、
生活する場所として
中華料理は、油多めとは思うが野菜多めで安心する。
食事のバラエティーは日本に勝てるわけもないが満足した一週間だった。
深圳の人達は人柄もよく、街は過去経験した中国の街よりは喧騒もおとなしく、治安もよく、笑顔も素敵でよかった。
空気は日本よりは悪く、商業地区の周りはゴミが落ちてるし汚いが、OCT周りなど自然が多かったりおしゃれだったり綺麗な地域もある。
地価は日本の地方くらいか。
結論、住むのはあり。
seeeedstudioでプレゼンした資料
#sz1208の自分の全写真
以降は日記および記憶の引き出しを開けるきっかけ
2014-12-08
羽田からキャセイで香港へ
キャセイの機内食ひどいな、こんなだったっけ
Tom Cruiseのまどマギぽいシナリオの映画が見れたのでよかった
香港からは一度も出ずにそのままフェリー経由で深圳へ
スムーズ
無人の電車なんて運用できるの日本くらいだろと思ってたがきれいに裏切られた
蛇口でGlobal WiFiで借りたWiFiルータ、日本で契約したhopemoonというVPNアカウント使ってGmail, Facebookにつなぐと一安心。
地下鉄に乗ってヤンナン到着、そこから徒歩5分ほどで宿へ
蛇口のタクシーの客引き、ホテルの受付のお姉さんがもう1人の masakazu と間違えそうになる、予約が見つからない、宿代ちょっとぼったくろうとする、
といった小トラブルはあるものの中国にようこそ、といった挨拶みたいなものか
夜は日本人のみなさまとお鍋。新宿で食べた、白・赤のスープに串をセルフサービスで選んできて食べる方式。うまい。
(ここでぼったくろうとしていると思ったのは中国に対する過去の悪いイメージの影響で、チェックアウトする時に余計に払った分を普通に返してくれたので自分の疑い深い心を反省したし悪いイメージがふっきれた)
2014-12-09
深圳の治安がよい
深圳は、景気がいいから、頭のいい人たちはみんなまともな仕事したほうがもうかる=治安がよくなる
日本では景気が悪いから、頭のいい人たちが巧妙な犯罪を犯すようになる=治安が悪くなる
とtksさんとバスの中で話したのが印象に残る。
日本でこれから一番心配なのは基本的な治安が維持されるかどうか。
seeedstudio
たかすさん解説付きのseeedstudioプレゼン
seeedの売り上げの内、オンラインの販売が一番多い、その中でもアメリカ、フランス、ドイツ、その次が日本。
Googleで “製造” と検索すると深圳に1万件以上ヒットする。
seeedの人に何度も話を聞いているというたかすさんの知識がすごい。
もっと具体的な生々しい話が聞きたかったがそれは今後自分のプロジェクトを持って行く際のお楽しみにしましょう。
IRKitをseeedstudioで売ってくれないか、プレゼンをして個別にも話す。
seeedの方でまとめ買いする形もOKだし、売れたら払う形式でも可。
製造の方もだけど若い人達だからか、なんでも柔軟に対応するからやりたいことを言ってよ、という感じ。
秋田さん、江藤さん、稲見さんの研究内容の話、おもしろかったのでプレゼン資料公開されたらじっくり見よう。
LEDは光りを受けると微少な電流が流れる、という秋田さんのデバイスもおもしろいし
ニコニコ学会の理念に共感し、jins memeの実物を見られた。
seeedstudioのオフィスと同じビルにある工場を見学、その後外部の委託先の工場(金属CNC,基板製造,樹脂射出成形) を見学。
IRKitをつくっている岐阜、都内の工場でも似たものは見たが、
規模(でかい)、清潔さ(汚い)、安全性(危ない)、働いている人の年齢層(若い)、時給(安い)が全然違う。
程度問題だが、規模については、量が質に転換するラインを越えている。
5階建ての団地がぽこぽこならんでる上から下まで全部工場という。。
地平線まで全部工場。。
これは50年前の日本だろうか。
公害病が発生して安全性が問われ、労働組合ができ、子供が減り、日本のように成熟していくのだろうか。
そこに文化の違い、時代の違いによって成熟の仕方が異なって違う形の製造業ができていくのか、継続的にみていきたい。
日本の時には、少しでも技術的に工夫をすればすぐにエンドユーザーが体感できるメリットが発生したが、今はそれが難しい時代な気がする。
日本の成熟の際には、ここにあるような多様性はなかったんじゃないかな。必要なかったから。
成熟のスピードは速いでしょう。世界に求められているから。
IRKitの次の自分のプロジェクトの生産を深圳でやりたいか、、
今日の印象ではどちらかというとネガティブな方に傾いているが、、もう少し様子を見よう。
生産者としてより、消費者としてここを楽しみたい気持ちが強い。
2014-12-10
Makeblock訪問
Makeblock
メカを含めたlittlebitsみたいなものを売っている会社。
歯車と金属の柱を組み合わせてあらゆるものを作れるキット。
ロボットハンド、二足歩行、3Dプリンタ、チップマウンタ、自動シール貼り機、お絵かきロボット、レーザーカッター、ライフルのようなものや意味もわからない構造。
なんでも作れる。
プログラミングはScratchのインターフェースで、モータやフルカラーLED、超音波距離センサなどを操作可能にしていて、さらにそれをArduinoスケッチとして書き出せる。
書き込んでしまえばパソコンから切り離しても動作する。
Scratchは初めて使っ(ているのを見)たが、ドラッグアンドドロップで自由にできるのは楽しい。
さらにその操作対象にモータがついていて動くのだからすごい。
なんでも作れる。(2度目)
PCと、センサやモータ等とのインターフェースとなるボードも電話線のケーブルにI2Cと電源を通していて賢くコストダウンしている。
これはしっかりワークショップなど開けば広まる可能性があるな〜
開いているワークショップのビデオ見ても作例が幅広くて楽しい。
Fablabにも向いている。
IRKit連携もできるかな??
でもまだちょっと高いな〜、木をレーザーカッターでカットして、モーター部分は手で回すことにして安価に同じような作例のバラエティを出せる、正確性などを犠牲にしたものが作れるんじゃ無いか。
中国では基本的にはあるものをぱくってベースにした上で機能を追加削除するメーカーか、生産に徹するものが多いという。
Makeblockのようなクリエイティブな会社は少ないという。
そうだろうか。
昼食ではMakeblockで手伝っている Patrick と話す。
DNA,RNAを模した粘土の作品をつくる元アーティストであり、Maker。
ここでは物価の割に稼げるから滞在していて、英語を教えつつLEDが好きで何かをつくろうとしているが、
稼いだら旅に出たいという。
ドイツ人なのだから仕方が無い。
浄水器をつけて水道水を飲んでいる。水に重金属が入っていて沸騰させれば死ぬ細菌よりそっちの方が気になると。
食物の安全は気になるけど、、信じるしかないよね、、そうだよね、、
日本人工場訪問
2000年代、大手メーカーくらいしか深圳へ進出していない頃に、日本企業の深圳への進出を支援している団体。
聞くほどに、中国人と日本人の文化、性格の違いを知ることになる。
旧正月の休みの間に実家に帰ると、工場の工員は一度雇用がリセットされ、50%程度が帰ってこない。
実家でお見合いしてそのまま結婚したり、古い友達からより払いのいい工場の話を聞いてそっちに移ったり。
電話もなく辞めていくことも多い。
旧正月をまたぐようにラインを動かさない方がいい。
管理職は別で、何年もいっしょにやってくれる人もいる。
当たり前の話で、管理職に昇進をしていけば仕事は単純でなくなるし大事にされていると感じるし賃金も上がる。
賃金は2014年が最低1800元(=36,000円)
来年には2000元を超えるだろう。残業代は多すぎてもだめ、少なすぎてもだめ、適切に出して、
社会保険料を出すと月3000元。
大手車メーカー(車は今作れば作るほど売れる市場)はそれにさらにボーナスを12ヶ月とか出す。賃金はすごい勢いで上がっている。
賃金が少しでも高いところにすぐに工員が移動するのでつらい。
年間離職率は100%を越えている。つまり1年以内に辞めるのがほとんど。
日本人は、「お世話になったから」という考え方があるが中国人には無い。
その状況に対応するため、日本人が作業工程を工夫して、なるべく経験無しにでもよい品質を出せるようにしている。
JENESIS訪問
JENESIS
むかしの?Cerevoの製品、Androidタブレットや独自製品geaneeブランド、イオンの携帯などをつくっている。
小ロット生産してくれる。
DMM Make.Akibaでプロトタイプをつくった後に、ここで量産してほしい。
JENESISみたいに小ロットを受けてくれる会社が増えないと、Makerムーブメントはキーワードで終わっちゃう。
樹脂は型にお金がかかるが、CNC削り出し(LiveShell Proで採用)は初期費用が少なく小ロットに向く方法や、鉄板を曲げてつくる方法もある(単価はあがるが)
日本人の仕事を深圳の工場が受けてくれなくなっているという話。
注文は多い、出口を決めない(こうしてくれって言わずにだめだしだけする)、見下している、値切る、数が少ない。。
値切ったらしれっと途中から質の悪い部品を混ぜてきたりする。。
そりゃそうだ。
2014-12-11
HuaQiangBei (フアチャンペイ?) を巡る
電気製品に関するあらゆる部品や完成品がある。
LED、コネクタ、バッテリー、シール、コンデンサ等あらゆる電子部品の専門店が地平線遠くまで広がっている。
それぞれがただの2mx2mのブースであり、オンラインで買ったものをここで受け取り次の場所に運ばれていく。
カメラモジュールの専門店とレンズの専門店、そしてそれを組み合わせた監視カメラ、Webカメラの専門店がある。
素材を集めて合成して市場で売るオンラインゲームのよう。
果てしない。
クワッドコプターを買ってしまった。
カメラ無しのものが 100元(=2000円), カメラ付きでSDカードに保存する(リアルタイムには映像を見られない)ものが 250元。
前者は150元から、後者は300元から値切れた。
その場で試させてもらってちゃんと動くし安定している、いいものだ。
交渉すると人の良さが伝わってくる。
深圳は人がいいな〜、今までの中国のイメージとは違う。
田舎の人なつこい表情をする。
若く、景気がいいからか。
こういう表情をする人がいるところを豊かというんじゃないか。
自分はプロトタイピングを行って1品モノをつくり、ガーバデータと検査仕様をseeedstudioに送って生産及び販売をしてもらっている。
ファーチャンペイで部品を調達、300元(=6000円)払って24時間で基板が届く。
これは速いわ。
Q 無限にある部品屋の中からどうやっていいものを見つける?
A 安いものを買って品質が悪いのは当然、品質がいいものはそこそこの値段する、それでも他から買うよりは安い。
ここに住んで、毎日ファーチャンペイに通い、BBQをして近所の、ファーチャンペイで働いている人達を呼んで仲良くなっていいところを教えてもらう。
ハードウェアスタートアップのチームを深圳に連れてきて、
困難を乗り越えられるよう支援して
クラウドファンディングをほぼ100%成功させているアクセラレータ
Meet OTTO - The Hackable GIF Camera の人
Quitbit - The first smart lighter and app to track smoking の人
喫煙者にとってはプレゼントによさそう
共同創業者の貴重さについて話す。
IRKitにも次も共同創業者いないんだよね〜
アイディアを誰かと話しているときに思いつく、というような始まり方でもなければ、同じアイディアに対して複数人が同じ熱意を持って取り組むことなどできるのだろうか?
熱意が同じでなかったら、ハードウェアをつくる時の試練を複数人で乗り越えられる気がしないな。
カスタム仕様のモーターも2日でつくれる
次のプロジェクトのアイディアを伝えて、どう?って聞いてみた。
いいんじゃないかな、その先のビジョンは?
ビジョンは無いんだよね〜
Haxとしても、Exit時のリターン以外のビジネスモデルが無いことについては問題意識があるようだった。
全プロジェクトが上場や売却まで行くだろうか、そこまでいく可能性がないプロジェクトを支援できないというのはもったいないのでは。
2014-12-12
午前中は仕事
昼はホテル近くの高級レストラン。仕事のストレスで消耗すればアンパイを選びたくもなるものだ。こういう仕事は減らさなければ。
鉄観音うまい。青野菜が多いのが中華はよいなー、野菜が足りないと思うことはこの旅行ではなかった。
16時
Hacker spaceへ向けて出発
最初のmakerfaireがあったというおしゃれな場所
なんだちゃんとクリエィティブじゃないか
スタバの似合う場所
たかすさん語彙で 美大生がいるような場所
makerspaceは3Dプリンタとペーパーカッターや工具が並ぶ普通のfablabのような場所
そこでmakeblockのultimate robotキットを組む
まずは一度マニュアル通りにやってみて、その後seeedstudioが持ってきてくれたセンサなどをつけて拡張していこうというところ、21過ぎてやっと完成したのでマニュアル通りに作るだけになってしまった
XYプロッターは先端にレーザつければカッター、エングレイバーにもなるし、3Dプリンタにもなるしわくわくする
makeblockはマニュアルにミスが少なくとも3箇所あり、六角で締めるネジも六角形の穴が埋まってて使えなかったり、iPhoneアプリは落ちるし、クオリティは低かった
メインボードからモータなどにつなぐケーブルはわかりやすいかと思ったが、何番ポートにどのモータがつながってるかわからないからアプリのUIからポート番号を選ばないといけないし、これはもっと自動的に賢くできるだろう。
組み上がったものもモーターが一個動かず、これはもちろん自分達の組み方に問題があった可能性はあるが、ここからデバッグするのは大変そうだ。
まだまだ荒削りだが、体験は楽しかった。
IRKit連携して外からロボットを動かしたり状況を見れたり、といった応用をしてみたかった
手でものを組み合わせて形ができるだけでもレゴのように楽しいのに、それがスマホから操作できるし自律的にも動作させられるのだ
熱い
夕飯は近くの鍋屋さん
これがまたうまい
蓮の実
鶏肉も牛の肉団子も締めの麺も
個人的な外交について話した。
I think non sense conversation like we’re having right now, is very important for our national security.
日本人ひとりひとりに中国人の友人がいれば戦争など起きない。
2014-12-13
チェックアウト
小籠包
電車
フェリー